無敵の剣
途中の道で、市村君に護衛されている絹と出会す



「あら?お二人、どうされたのですか?」



「江戸に戻るように指示された」



私が答えると絹が笑みを浮かべた



「駈け落ちでもしてるのかと!!!
おほほほほっ」



「お絹さん!お二人に失礼ですよ!!!」



市村君が声を荒げた

私は、そっと肩に手を置き静かに微笑んだ



「市村君、土方さんの大事な人に
そんな大声を出してはいけない
しっかりと役目を果たすこと
その為には、護衛対象へ尊敬の念を持つことが重要だからね
仕事は、きちんとやりなさい」


「はい!」





2人が先に行き

私と沖田さんは、休憩を続けた




動けなかった





「大丈夫?」


沖田さんが私を心配する





返答も出来ず、申し訳ない






「一?沖田さん?」


壱が会津公から近藤さんへの文を渡す為に
追っていた


沖田さんが


「私たちは、江戸に戻るんです」


と、言っただけで



「一も、沖田さんも
戻れって言われたからって
戻るようなひ弱じゃねぇだろ!!
ちゃんと言ってくれよ!!!」



沖田さんは

病人をそばに置くのは良くないから、すぐに療養の為に、どこかへ預けろと

私は

土方さんに愛想尽かされたと


それぞれ、絹に測られたと話した



「駈け落ち…しませんか?」


沖田さんの誘いに
私は、微笑んだ



壱は、私が断らないことを知っている



「行け!俺が一になってやる!」















病人と女







脱走したところで、切腹にはならない










壱は、文を届け



間を置いて斎藤一になってくれる事に





俺を私に改め
慎重に私に似せて、バレないようにすると言ってくれた




遠くに逃げろと…









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