無敵の剣
土方さんに判断を委ねたが


私は、沖田さんに勝てるのだろうか




山崎さんは、優秀な忍だろう




あまり、表立つことをしなかった私を
ちゃんと見つけたのだから



久しぶりに〝山口一〟と呼ばれても
なんだか、他人のような気になる


それもそうだ… 外では、山口二郎が
ほとんどだった


山崎さん… 凄いな…


土方さんの右腕が山崎さんなら
私は、左腕にならなければいけない








楽しそうに素振りをする沖田さんの前に
ゆらりと立つ


沖田さんも突き技が得意
私より早い
恐らく本気を出せば3段は突けるはず


一か八か、賭けるしかない





試合が始まると



予想通り、突き技が来る

1つ目を交わし

2つ目を受けると同時に、右手を離し
スルリと利き手の左を上にして

3つ目を巻き上げる



「くっ!! 左利き!!」



沖田さんがこらえた

やはり、天才だ



突然の左利きにも体が反応している


木刀を落とすことは、叶わなかった



沖田さんがもう一度、平静眼

3段突きが来る



沖田さんに勝つためには



1つ目で間合いを縮め、刀を受けるフリ
牙突の構えをして、一気に突進

突き技を出す


沖田さんは、技を避けきれず
壁に背中を打ちつけた





「そこまで! 勝者 斎藤!!」






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