無敵の剣
「どうぞ」


「ありがとう 猫、増えたんだね」


「ネコが怪我猫を拾ったので」


「よく懐いているね」


「野良だと思うんだけど…
ネコが言い聞かせてるのかな」


「クスクス 斎藤君が気に入ったんだよ」


「……そうかな」


「僕も斎藤君といると穏やかでいられる」


「にゃぁ」



怪我猫が、ひょこひょこと山南さんに擦り寄り、膝に乗る


「私の膝にも乗らないのに…
クスクス 私より、山南さんが気に入った
みたいだ」



「あたたかいね」


「私が、ネコと出会ったとき
行く当てもなく、落ち込んでいたんです
見事にいやされました」


「不思議だね
よし!どちらが先に怪我が治るか
競争しようじゃないか!!!」


「にゃあん」




猫は、山南さんを元気にしてくれた


私は、気の利いた言葉すら浮かばなかった









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