無敵の剣
色恋というものは…
深雪は、体調の良い時は屯所で繕い物をするようになった


「下手くそ…」


「酷っ え? なんで?
めっちゃ上手やん!」


何の気を回しているのか、土方さんは
私と深雪を2人きりにする



この深雪は、太夫まで上り詰めたわりに
不器用で…



「ここを裏返して縫わないと
表から丸見えだ やり直し!」


「えーーーーー」


私より年上なのに、子供のように
頬を膨らませる



「やらないなら、手伝わないぞ」


「やります!!」



扱いにもなれたものだ




「斎藤さんの想い人さんは
こういうの得意だった?」



何度、想い人じゃないと言っても
信用しない



「さぁな」


「教えてくれへんの?」


「知らないんだ
そんなに長く一緒にいたわけじゃない
それに…
出会ったときには、彼女は盲目だった」


「名前… 聞いても?」


「……なぜ、そんなに知りたがる
もう、この世にいない」


「この世におらんでも…
斎藤さんの心に、いてるから」


「深雪… 屯所近くに別宅があるのは
近藤さんの妾だからだ
今の生活を続けたいなら
余計なことは考えるな
それから、私の事を詮索するな」





深雪は、返事をしなかった

命の期限を知っているからこそ
我が儘に、心のままに生きたいのだろう


だが…


恋の相手が、女の私なのが、報われない







雪は…







想いを口にはしなかったな…















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