10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「あなたより先に来て、待っていたかったんです。」

私が思っていたことを松田さんも思っていたようだ。

ちょっと悔しかったけれど、その気持ちも分かる私はくすくす笑う。

「どうしたんですか?」

今度は松田さんが私を見て目を丸くする。

「…同じことを考えていたんだなって思ったらおかしくて。」

私はまだ笑いながら、松田さんを見上げる。

そしてハッとした。

マジマジと松田さんの顔を見る。

「どうしましたか?」

松田さんはコロッと変わった私の表情に、不思議そうに聞いた。

「やっぱりお若いですね。」

肌もきれいだし、しわも少ない。

表情を見たって、明らかに青年という感じだ。

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