イジワル上司にまるごと愛されてます
「それじゃ、出発しますよ」
運転手が言って、タクシーがゆっくりと発車する。
来海は座席に背を預けて、ほぅっと息を吐き出した。部長の機転のおかげで、敦子との関係がこじれることなく、敦子が柊哉に迫るのを阻止できた。
(部長は木下主任の思惑に気づいていたのかな……)
そんなことを考えながら、サイドウィンドウ越しに後ろへと流れていく繁華街の明かりをぼんやり見ていると、柊哉に声をかけられた。
「日本酒のカクテルはアルコール度数が高かっただろ? 大丈夫?」
「あ、うん」
柊哉の方を見ると、彼は気遣うように来海をじっと見ていた。来海はアルコールの力を借りて、昼間の礼を言う。
「昼間、私の肩を持ってくれて嬉しかった。ありがとう」
柊哉はふっと微笑んだ。
「当然だよ。あれは木下主任が言いすぎだった。ヨーロッパ・アメリカ地域担当とアジア・アフリカ地域担当の社員の雰囲気が悪くなりかねない」
「だよね。アジア・アフリカ地域は純粋に商品を輸入する以外のことも担当しているし」
「仕事は楽しい?」
「うん。主任になってすぐの頃は、私なんかに主任が務まるんだろうかってすごく不安だったけど、糸田課長もよくサポートしてくれたし」
「来海は主任になるべくしてなったんだよ。糸田課長も、部長もそう言ってた」
運転手が言って、タクシーがゆっくりと発車する。
来海は座席に背を預けて、ほぅっと息を吐き出した。部長の機転のおかげで、敦子との関係がこじれることなく、敦子が柊哉に迫るのを阻止できた。
(部長は木下主任の思惑に気づいていたのかな……)
そんなことを考えながら、サイドウィンドウ越しに後ろへと流れていく繁華街の明かりをぼんやり見ていると、柊哉に声をかけられた。
「日本酒のカクテルはアルコール度数が高かっただろ? 大丈夫?」
「あ、うん」
柊哉の方を見ると、彼は気遣うように来海をじっと見ていた。来海はアルコールの力を借りて、昼間の礼を言う。
「昼間、私の肩を持ってくれて嬉しかった。ありがとう」
柊哉はふっと微笑んだ。
「当然だよ。あれは木下主任が言いすぎだった。ヨーロッパ・アメリカ地域担当とアジア・アフリカ地域担当の社員の雰囲気が悪くなりかねない」
「だよね。アジア・アフリカ地域は純粋に商品を輸入する以外のことも担当しているし」
「仕事は楽しい?」
「うん。主任になってすぐの頃は、私なんかに主任が務まるんだろうかってすごく不安だったけど、糸田課長もよくサポートしてくれたし」
「来海は主任になるべくしてなったんだよ。糸田課長も、部長もそう言ってた」