イジワル上司にまるごと愛されてます
 来海は手のひらの箱を眺めた。高級感のある青い包装紙には、ヨーロッパの有名クリスタルジュエリー・メーカーのロゴがプリントされている。

「開けてもいい?」
「ああ」

 来海は包みを留めているテープを外した。現れた箱の蓋を開けると、小さなクローバー型のピアスが出てきた。葉の部分は緑色のクリスタルガラスでできている。

「うわぁ、すごくかわいいデザイン!」

 箱を持ち上げると、クリスタルガラスが頭上のライトを浴びて幻想的な緑色に輝いた。

「キレイ~」

 来海はほぅっと息を吐き出した。部署のみんなへのお土産はもらっていたが、わざわざ私のために選んでくれたのだ、と思うと胸がくすぐったくなる。

「どうしよう、すごく嬉しい。ありがとう~! 私、クローバーのモチーフ、大好きなんだぁ」

 来海は箱をギュッと胸に抱いて柊哉を見た。彼の顔が嬉しそうにほころぶ。

「気に入ってもらえてよかった。同じようなモチーフのチャームをスマホにつけてたから、クローバーが好きなのかと思ってたんだ」
「うん、そうなの。実はあのチャームも同じメーカーのなんだよ」
「そうだったんだ」
< 115 / 175 >

この作品をシェア

pagetop