イジワル上司にまるごと愛されてます
「それじゃ、私はロコモコ丼プレートとアイスティーをお願いします」
「かしこまりました」
店員は二人の注文を繰り返しながら、手に持っていたハンディ端末に打ち込み、「少々お待ちください」とテーブルを離れた。
「で?」
茉那が問いかけるように来海を見た。茉那は来海がかつて柊哉を好きだったことを知っている。
「でって言われても……」
来海は茉那の大きなお腹を見た。来海の従姉(いとこ)が去年、妊娠したとき、『妊娠中はデリケートだから気を遣ってあげて』と母に言われたことを思い出す。
(茉那に心配かけちゃダメだよね……)
来海はわざと明るい声を出す。
「大丈夫だったよ~! いくらなんでも、もう四年も経ってるんだから。さすがにもう引きずってたりしないって!」
「ホントに?」
「ホントホント」
来海はしっかりとうなずいて見せたが、まだ茉那は納得していないようだ。
「それじゃ、どうして今までずっと新しい恋をしなかったの? 私がだんなの友達を紹介してあげようかって言っても、いつだって『まだそんな気になれない』って言ってたじゃない」
「かしこまりました」
店員は二人の注文を繰り返しながら、手に持っていたハンディ端末に打ち込み、「少々お待ちください」とテーブルを離れた。
「で?」
茉那が問いかけるように来海を見た。茉那は来海がかつて柊哉を好きだったことを知っている。
「でって言われても……」
来海は茉那の大きなお腹を見た。来海の従姉(いとこ)が去年、妊娠したとき、『妊娠中はデリケートだから気を遣ってあげて』と母に言われたことを思い出す。
(茉那に心配かけちゃダメだよね……)
来海はわざと明るい声を出す。
「大丈夫だったよ~! いくらなんでも、もう四年も経ってるんだから。さすがにもう引きずってたりしないって!」
「ホントに?」
「ホントホント」
来海はしっかりとうなずいて見せたが、まだ茉那は納得していないようだ。
「それじゃ、どうして今までずっと新しい恋をしなかったの? 私がだんなの友達を紹介してあげようかって言っても、いつだって『まだそんな気になれない』って言ってたじゃない」