蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
「絶対に佳一郎さんを見つけてみせる!」
徹底的に社内を探し回るべく力強く宣言をし、まずは手近にある秘書室のドアへと手を伸ばし、改めてその姿を探したのだった。
「佳一郎さーん!」と声をかけながら探し回ること十分。
灯りの落とされた社員食堂の一角に探し求めていた姿を見つけ、嬉しさと緊張感でざわめく心を落ち着かせながら、私は静かに歩み寄っていく。
佳一郎さんは、飲み物の自動販売機の前にいた。
テーブルに腰を掛け、缶コーヒー片手にどこか遠くを見つめている。
「探しました」
自動販売機の明かりにぼんやりと照らし出されている姿に声を掛けると、彼はびくりと肩を揺らし、私を見た。
「……帰られたのでは」
「佳一郎さんと一緒にカップケーキが食べたかったので、戻ってきちゃいました」
「花澄さん……そうですか。ありがとうございます」
薄明りの中で優しく笑いかけてくる彼の姿がとっても儚く見え、きゅっと胸が苦しくなる。
急いで佳一郎さんに近づいて、持っていた紙袋を彼に見せた。
「……場所を移動して食べましょうか? 明るい場所が良いですよね」