蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
彼の腕にするりと自分の腕を絡ませて、ぎゅっとしがみつく。
「佳一郎さんのこと、離しませんからね」
もっと甘えた声で言えたらよかったのだけれど、恥ずかしくてふて腐れたような声になってしまった。
「花澄さん」
穏やかな呼び声と共に、佳一郎さんが私の身体を抱きしめてきた。
どんなに不器用だとしても、彼が私の気持ちをまるごと受け止めてくれたことが伝わってきて、嬉しくてたまらなくなっていく。
「花澄さんにはそんな武器必要ありませんよ。俺は最初からあなた一択ですから。もちろんこれからもこの気持ちは変わりません」
静かだけれども熱い気持ちがこもった声で、囁きかけてくる。
佳一郎さんは私の額にキスをし両腕を解くと、カップケーキの入った紙袋を見て苦笑いした。
「それにしても大量に買い込んだみたいですね」
「みんな美味しそうで選べなくて、たくさん買ってきちゃいました! 兄にもお裾分けしようかな。カップケーキ食べるかな?」
「麻莉さんが選んだと言えば、苦手だとしても必死に食べるでしょうね……あぁ、そうだ。どうせなら仕事の終わらない副社長の前で先にいただくことにしましょう。飲み物は何がよろしいですか。お好きなものを仰ってください」