ミスマッチ!? ~私、年下の週末ファーマーに恋しました~
犬養くんの存在を、恋愛対象として特別に意識し始めたのは、今から3ヶ月程前。ライター副業を始めて5ヶ月ほど経った頃だ。

犬養剛(いぬかい・つよし)くんは、私と同じ会社に勤めている。だから犬養くんのことは、それ以前から知ってはいた。
でも犬養くんは営業で、私は事務。
つまり仕事上の接点はないので、仕事にかこつけて話しかける「ベタなきっかけという名のテクニック」は、はっきり言わなくても使えない。

しかも、犬養くんは私より3つ年下だ(だから私は犬養「くん」と呼んでいる)。
私の恋愛で「年下の彼」というのは、過去一度もなく、今後もあり得ないというのが、私の設定だった。
だから犬養くんのことは、最初から恋愛対象外だった。はずなのに―――。

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