オオカミ弁護士の餌食になりました
皮肉っぽく笑う香坂さんを、信じられない思いで見つめた。
こんなふうに顔を合わせることになると知っていて、彼はあの夜私をバーに連れて行き、あんな提案をしたのか。
「先日のお話、やっぱりお断りします」
まっすぐ見上げると、香坂さんはきょとんと目をまたたいた。
「どうして?」
「毎日一緒に仕事する人と、恋人ごっこなんてできるわけないでしょう」
きっぱり言い放った私を見下ろしてしばらく考えるように首をひねると、ふいに私の腕をつかんだ。
「ちょ、ちょっと!」
ぎょっとして振り払おうとしても、思いのほか強い力でびくともしない。
「放してください。人に見られたらどうするんですか!」
「見えないよ」