オオカミ弁護士の餌食になりました
白いペンキを塗り込めたような色に変わっているガラスを見やって、香坂さんはぐいと私を引き寄せる。
「拒絶反応は出てないよな?」
腕や首が粟立っていないことを確認して目を戻し、にやっと笑う。
「顔が真っ赤だ。ドキドキしてる?」
「ふ、ふざけないでください」
「ふざけてない。焦りとか、緊張とか、そういう生きた感覚が大事なんだよ」
意地悪っぽく言って、彼は私に顔を寄せる。
「なにせ荒療治なんだから」
至近距離から男の人に見下ろされて心臓が弾けそうになる。
さすがに手が震えだすと、香坂さんはそっと私から離れた。
「感覚が麻痺して拒絶反応が出なくなるまで、とにかく慣れる。そのためには、しょっちゅう接してなきゃ意味ないだろ」