オオカミ弁護士の餌食になりました
「うちのボスもなかなか鬼だからね。できるとこまでひとりで頑張って、だとさ」
「和田先生は……?」
昨年まで来ていた弁護士先生の名前を挙げると、彼はあっけらかんと言う。
「独立したんだよ」
大学在学中から勉強し、二十二歳という若さで司法試験を突破した香坂さんと異なり、和田先生は社会人として働きながらロースクールの夜間コースに通い、三十代半ばで弁護士になった人だ。
すでに奥さんとお子さんもいて、神谷法律事務所の最年長弁護士として、独立開業を目指しながら働いていたという。
「そうだったんですね」
好きな人と結ばれた和花に続いて、願いを叶えた人がまたひとり。嬉しいようなうらやましいような。