オオカミ弁護士の餌食になりました

「今のは……?」

 私の目線を受け止めて、香坂さんは微笑む。でも、口にしたのは答えではなく、別の言葉だった。

「真凛、このあとの予定は?」

「え……帰るだけですけど」

 香坂さんはさっき、同期の女性たちに「今日は予定がある」と言っていなかっただろうか。考えていると、彼は思いがけないことを言った。

「部屋を取ってあるんだ。ふたりで飲み直さないか」

「……えっ!?」

 目を見開く私を見下ろして、くすくす笑い出す。

「荒療治の一環だよ。次のステップに進もうと思ってね。人前じゃベタベタ触れないだろ?」

 私の顔が真っ赤に染まったのは言うまでもない。




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