オオカミ弁護士の餌食になりました
私たちが勤めるホダカ・ホールディングスのM&Aプロジェクトは、大きくふたつのフェーズから成り立っている。
大前提として買収先からはじめに開示された情報をもとに基本合意書が締結される。
その後、第一段階として実行されるのが、今現在、香坂先生が行っている企業調査、つまりデューデリジェンスだ。
そこで問題がなければプレM&Aが成立し、第二段階、すなわち宮田たち営業部門と生産部門がチームを組んで行う統合作業へと移行する。
「伸び悩んでた大慶食品の工場稼働率に、宮田が風穴を開けたって聞いたけど」
会議に出席していたらしい生産部門の同僚が話していたことを思い出しながら口にすると、宮田は箸を置いた。