結婚のその先に

「せっかくなら食べ比べするか。」
と啓吾の提案で個数の少ないたこやきを買っていくつかの店を回ることにした。

「あついよ」
「ありがとうございます」
できたてのたこやきを栞菜が手を伸ばすと啓吾が先に受け取った。
「俺もつから栞菜、財布とって」
そう言っておしりのポケットを栞菜に向ける啓吾。
栞菜は啓吾の財布からお金を出す。
「新婚さんかい？熱いねぇ～」
店員の一言にふたりは恥ずかしくて一気に熱くなった。

「あっつい！」
たこやきの熱さではふはふしている啓吾は、無邪気で肩の力が抜けている。そんな啓吾を見ているとつられて栞菜も肩の力が抜けた。
「ほんとだ…あふい！」
栞菜もはふはふすると啓吾はペットボトルのふたを開けて渡す。
「あひかほ」
「なに言ってるかわかんないよ。ははっ。うまいな！」
「うん。おいひい。」
口いっぱいに頬張る栞菜を啓吾は微笑ましく見ていた。