結婚のその先に
遠慮がちに扉を開けた啓吾は「大丈夫か?」と入り口で声をかけた。

それでも返事がなく中へ入る。

「栞菜?」

突然姿の見えた啓吾に栞菜は一瞬驚いたあと泣き顔になる。

「どうした?」

啓吾は栞菜がまた泣いていることに驚きバスタオルを広げた。

「おいで」
バスタオルを広げて栞菜を呼ぶ声に栞菜は啓吾のもとへ向かった。

目の前にたつ栞菜をタオルで包み込み抱き締める。

「濡れちゃうよ?」
「別にいい」
濡れるのを気にせず啓吾は抱き締めた。


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