結婚のその先に
「お待たせしました」
栞菜が飯村物流に着くと翠と啓吾が会社の前にいた。

腫れた目で顔色も悪い栞菜を抱き締めたい衝動を押さえて啓吾は飯村物流に入った。

そのすぐうしろを翠が、そのさらに後ろを栞菜は歩いていく。



「お待たせしました」
飯村物流の重役が啓吾たちの前に並んで座った。

「本日はお忙しいなか時間を割いていただきありがとうございます。先日よりお話を進めさせていただいていた藤崎財閥と高宮財閥との取引についてお話があります。」
啓吾の口調は自信に満ちていた。
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