結婚のその先に
眩しさに何度かまばたきしながら目を開ける。

「栞菜?」
そこにはスーツ姿でネクタイを緩めた啓吾がいた。

再び何度かまばたきをしてぼやけている視界や頭のなかがはっきりとしてくる。


「…あかちゃん…」
栞菜自身驚くほどか細い声しかでない。
「大丈夫。ここにいる。」
そう言って栞菜のお腹に触れる啓吾。



またこうしてお腹に触れてもらうことはないと思っていた栞菜の瞳から涙が次々に流れる。
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