結婚のその先に
「ごめん。ごめんて。栞菜。ごめん。」
啓吾は人形を抱えながら栞菜を追いかけてくる。

その姿がおかしくて栞菜が吹き出して笑うと啓吾も笑った。

「ごめんな?」
「見えないところに置いてね。怖いから。」
「わかった。栞菜。」
「ん?」
「人形の専用の服とか哺乳瓶とかも…」
「別料金!?」
啓吾はコクりと頷いた。
さすがに栞菜の笑顔がひきつる。
「いくら?」
「同じくらい…」
そのあと数日は啓吾は栞菜の機嫌をとるのに必死だった。

啓吾だって父親になるのは初めてだ。

仲直りしたその日から沐浴練習をすることがふたりの日課に加わった。
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