SKETCH BOOK
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変化が起こった。
教室に行くとみんながあたしを見る。
しんと静まり返る教室は
なんだか居心地の悪さを感じる。
夏美や綾子に声をかけるも、
素っ気ない態度を返される。
別に気にはしていなかったけれど、
なんとなく前とは違う雰囲気を感じる。
席に着くと既に来ていた橙輝があたしに声をかけた。
「今日遅くね?」
「そう?いつも通りでしょ」
「今日テストって知ってたか?」
「えっ、嘘!知らなかった!言ってよ!」
「あはは。言っても手遅れだろ。お前の場合」
橙輝が大きく笑うと、
なんだか妙にみんなの視線を感じた。
何よ。
今日はなんだかみんなの感じが変。
とくに女子。
陰湿な何かを感じる。
男子は普通そうなのに、
女子は誰に話しかけても
みんな同じ態度。
あたし、何かした?
何も心当たりがなくて一人でうーんと考える。
「梓、おはよう」
「浩平。おはよう」
浩平が席に着いて挨拶をすると、
なんだか女子たちがどよめいた。
何?何なのよ。
何かあるなら言えばいいのに。
こんなことが一週間続いた。
それだけじゃない。
靴がなくなったり、
あたしだけ授業変更を知らなかったり、
教科書に落書きされていたり、
子どもじみた悪戯が続くようになった。
まさに、いじめ。
自分がそんな立場になるとは
思ってもみなかった。
ただ、標的はあたしで、それが女子、
特に夏美や綾子たちによるものだと気付いた。
そんな時。
「梓。ちょっといい?」