イジワルな彼は私を溺愛しています

「水沢、水沢起きろ」

「ん……へ？」

起きたところは保健室で隣に宮沢君がいた。

「もう放課後だぞ」

「ん？」

時計を見るともう4時になっていた。

「いきなり倒れたと思って慌てたら寝息が聞こえたから保健室に運んだ」

「あ、ありがと」

「別に重くなかったし。この頃寝てないんだろ」

「たしかに。久しぶりに寝た」

私は体をおこしてベッドから出た。

「送るよ」

宮沢君が私のカバンを持って言った。

「ごめん」

さすがに和海との同居は言えない。

「そっか、ならしょうがないね」

宮沢君は私にカバンを渡して笑った。

「今日は本当にありがとう」

頭を下げた。

本当にいくら感謝しても足りない気がする。

「いいから。俺がお節介しただけだから」

宮沢君はそう言って手を振りながら保健室から出ていった。