曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。



授業はまったく頭に入ってこないまま、
終了した。



号令のあと、
あたしは一目散に教室から飛び出した。



どこに行くでもない、
ただただ今井さんから遠ざかりたかった。



どうして。

夢、じゃないよね?



夢であってほしいような、
それだと寂しいような。


全然授業、聞けなかったな。



あたしは少しずつ冷静になってきた。


大学4年生ってこと?

じゃああのときは、2年生か。


ここに教育実習生として来てるってことは
ここの高校、出身なのか。


っ、、
だから、、、
アイちゃんと田代くんが来たとき助けてくれたんだ。

バイト原則禁止って知ってたから。


それに、
あたしはなんか事情がありそうだと思ってくれてたみたいだから。


あたしがバイト続けられるように。

助けてくれた。




だから、か。


あと、古典の話も。
多分、このためだ。
教師になるために、高校生に聞いておきたかったんだ。


すべてのピースがはまった気がした。



記憶を掘り起こしていると
今井さんはやっぱり、無愛想でぶっきらぼうで不機嫌そうだけど
仕事に熱心で、
それで、どこまでも優しい人だと思った。


次は金曜日か。


そのときはちゃんと、顔を見れるといいな、あたし。



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