曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。




「佐藤さん、



ずっと、好きでした。



俺と、付き合ってほしい。」



ここまで言われたら、

うそだって自分に言い聞かせたってもうムダで。


今井さんの言葉と声はまっすぐで、
うそなんかじゃなくて
本気だということが伝わってきて。



答えなんて、決まってる。

はい、お願いします、あたしも今井さんが好きです。


答えなんて、決まってる。


でも、
信じられなくて、
本当に信じていいのかわからなくて、
興奮と嬉しさで声がうまくでなくて、
あたしは固まったままだった。



「ごめん、嫌ならちゃんと断って。」


嫌なんかじゃ、ない。


あたしがずっとずっと望んでいたこと。


なんて、言えばいい?
どう言えばいいのか、わかんなくて、


あたしはゆっくり頷いた。


「なに、どんどん下むいていってんの。

ちょっとは、俺のこと見てくれてもいいのに。


それと、
返事、無理なら今日じゃなくていいから。」


あたしが頷いたつもりだったのは、
もっと下を向いたようにしか見えなかったみたいで。


声が、でない。

返事は決まってる。
とっくに、決まってるのに。


やっと声を絞り出して、出てきた言葉は
たったの一言で。



「あたし、も、ずっと、好き。」


他にも言うこと、聞きたいことはたくさんあるのに。


これを言うので、精一杯。

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