男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「まるで天使のようだ。いや、本当に天使なのではないか?」


真面目な顔でクロードは言う。
 
落ち込みそうになっていたミシェルだが安堵してクスッと笑った。


「ホッとしました……着慣れていないせいか、似合っていないような気がして」

「前にも言っただろう? 誰よりもお前は美しい」
 

ミシェルは嬉しくて笑顔をクロードに向けた途端、唇がそっと塞がれた。

 

王室専用馬車にクロードとミシェルだけではなく、今日はアベルとヴァ―ノンも同行していた。対面型の席だ。
 
アベルはミシェルの世話、ヴァ―ノンは正装をしているが腰にはレイピアを下げている。
 
ヴァ―ノンは日増しに綺麗になっていくミシェルに目を見張る。
 
隣同士に座るクロードとミシェルは楽しそうに話をしている。

クロードが軟らかい表情で女性と話している姿を見るのは初めてだと、ヴァ―ノンは驚きを隠せない。


「アベル、ミシェルに虫がつかないようしっかり付き添え」
 

クロードが目の前に座るアベルに命じる。


「はっ、肝に銘じます」


アベルは緊張した面持ちで返事をし、ヴァ―ノンが口を開く。


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