男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「あ! 返してくださいっ!」
ミシェルは顔を上げて、女性が手にする髪飾りに手を伸ばす。だが、さっと向きを変えられて、ミシェルの手が空を切る。
「これを盗んだから逃げるのに夢中だったのかしら?」
「いいえっ! 盗んでいません。いただいたのです」
「こんなにお高い物をあなたのような薄汚い娘にあげる殿方なんているわけないでしょう?」
女性はバカバカしいと高笑いする。
「本当なんです。お返しください。大事な物なんです」
「大事な物? それはそうよね。これを売ったらあなた方の生活だったら数年は暮らしていけるわ」
「絶対に売りません! お願いです」
ミシェルが懇願すると、女性は口元を楽しそうに歪めて髪飾りをポイッと橋の下に流れる川に投げた。
「あっ!」
ミシェルは橋のアーチ部分に手をかけて、弧を描いて川へ落ちていく髪飾りを追った。
髪飾りはポチャンと小さな水しぶきをあげて川の中へ沈んだ。
「なんてことを……」
唖然となっているうちに、女性は馬車の中へ戻り、ミシェルの脇を通って去って行った。
ミシェルは顔を上げて、女性が手にする髪飾りに手を伸ばす。だが、さっと向きを変えられて、ミシェルの手が空を切る。
「これを盗んだから逃げるのに夢中だったのかしら?」
「いいえっ! 盗んでいません。いただいたのです」
「こんなにお高い物をあなたのような薄汚い娘にあげる殿方なんているわけないでしょう?」
女性はバカバカしいと高笑いする。
「本当なんです。お返しください。大事な物なんです」
「大事な物? それはそうよね。これを売ったらあなた方の生活だったら数年は暮らしていけるわ」
「絶対に売りません! お願いです」
ミシェルが懇願すると、女性は口元を楽しそうに歪めて髪飾りをポイッと橋の下に流れる川に投げた。
「あっ!」
ミシェルは橋のアーチ部分に手をかけて、弧を描いて川へ落ちていく髪飾りを追った。
髪飾りはポチャンと小さな水しぶきをあげて川の中へ沈んだ。
「なんてことを……」
唖然となっているうちに、女性は馬車の中へ戻り、ミシェルの脇を通って去って行った。