男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
(間違いない。女だ。フランツはミシェル……)


クロードは町で惹かれた娘だと確信した。騙された怒りは不思議となかった。


「すごい熱だ……フランツが女だということをアベルは知っているのか……?」
 
アベルが知っていたら、なにがなんでもここへ付いて来ていただろう。
 
クロードは胸を隠すリボンが見えないようにシャツのボタンを留めると部屋を出た。
 
廊下へ出て階段のところに立っている衛兵にアベルを呼ぶように命令をする。
 
すぐにアベルがやって来た。腑に落ちない顔をしている。


「いかがなされましたでしょうか……?」
 

フランツがなにかしでかしたのか、おそるおそるアベルは伺う。


「侍医を呼べ」

「じ、侍医でございますか?」


なぜ侍医を呼ぶのかわからないアベルはさらに困惑する。


「フランツが高熱を出している」

「ええっ!? わ、わかりました!」


アベルは急ぎ足で去っていき、クロードはもう一度ミシェルの部屋へ入った。
 
呼吸が先ほどより荒くなっている。
 
クロードは汗の粒が浮き出ているミシェルの額をハンカチで拭き手を当てた。


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