ダドリー夫妻の朝と夜
 アーサーは素早く下履き姿になると、エミリアの長い髪に指を絡ませた。

「わたしが君の夫だと、証明する時間をもらっても?」

「もちろんですわ。わたくしにもその時間をいただける?」

「ああ」

 そのときエミリアは、まだよく理解していなかった。二人で同じベッドに横になり、圧倒的に不足している会話を交わすことを想像していた。

 無論、その先にある夫婦の営みについては母からも家庭教師からも言い聞かされてはいたが、今日初めてまともに話し合おうとしようとした二人なのだ。そういうことは、まだずっと先にあるような気がしていた。

 だから、アーサーがエミリアに覆いかぶさり、今までしてきた唇を触れ合わせるだけの口づけとは違うキスをしてきたときには、頭の中が真っ白になってしまった。

「アーサー様……」

「ああ」

 アーサーの声は、かすれていた。それが、ひどくなまめかしい。

「……アーサーさま……」

「なんだ」

 エミリアの返答を待たずにアーサーは再び唇を覆い、エミリアの口内を貪った。


 これはなんなのだろう。キスすることは知っていた。でも、こんなに激しくていやらしくて艶めかしいのもキスなの?


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