特別な夜
一旦、唇を離す。

ねっちょりした液体が、お互いの口を繋いでいる。

はぁ。はぁ。はぁ。

静まりきったベッドの上では吐息だけが聞こえる。

「電気……消そ……?」

しばらく僕たちはお互いの目を見つめていたが、彼女が先に口を開いた。

彼女の意見に返事を返すでもなく、僕はただ無言でスイッチを押した。
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