ライアー

これで自分のことをかっこいいと思ってるからたちが悪い。



私もそんな人に難癖付けられるような外見してるわけじゃないけど。


「なにぼーっとしてんだ?大丈夫か?」

背もたれに手をかけ身をかがめて顔を覗き込んでくる。

足にピタッとはりつくスキニータイプは足が長いから似合うのよ。


「うざい。近い。」

バッサリ言い放って、席を立ったのに、懲りずについてくる。


「お前、コーヒーのブラックだったよな。」
小走りで自販機に駆け寄り缶を一つ戻ってくる。


眠気覚ましにたまたま飲んでただけで、別に好きじゃない。むしろ口に残るにおいが嫌でめったに飲まないのに。

めんどくさいから別に言わないけど。

侑に言われるお前とは全く違う響きでただただ気持ち悪い。



「俺、ちょっと今日時間ないんだ。なんか調子悪いんだろ?
なんでも相談のるからため込むなよ。」


振り向きざまに言い残して去っていく。




ああー侑に会いたい。
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