ライアー
「ただ今、電波の届かないところにいるか、電源が入っておりません。」
高校の卒業式の時に無理やり聞き出した電話番号。それから侑が携帯を変えるたびにいろんな情報網を駆使して聴き出しといた。実際に使ったことはないけれど、電話帳に入ってる名前を見るだけで胸がときめいてた。
3回目。
もう終わったかもしれない。
だって、深夜1時に電源なんて切る?
そんな状況ってよっぽど邪魔されたくない時じゃない…
諦めの境地で、お風呂に入ってた時に、脱衣所から着信音が。
頭を泡だらけにさせながら、画面を見ると、
「如月侑」の文字。
今すぐ話したかったけど、鏡に映る自分の姿を見て流石に断念した。
見えないとはいえ、シャンプー途中の頭に裸でなんてね。
「侑?10分いや、5分待って!」
返事を聞かずにブチっと切ると、鬼のような速さでお風呂から出て、電話をかけ直す。
「侑?」
「あのなー、非常識にもほどがあるだろ。深夜1時にかけてくるなよ馬鹿。」
心底めんどくさそうに言われるから、思わずシュンとしてしまう。
「ごめんなさい、、だけど、起きてたならよかったわ。」
「はぁ…んで、なに?昨日会ったばっかだろ?」
「あなた今まで何してたの気になって。」
「は?なにその質問。キモいんだけど。」
「あなたがチャラついているんじゃないかってセンサーが働いたのよ。私が一生懸命残業してるってのに。」
「お前のそのセンサーはイかれてるな。生憎俺は今の今まで仕事。」
「こんな遅くまで?一体何してんのよ?」
「ああ。ほんと何してんだろうな。」
その声があまりに切なくて、これ以上踏み込むなって言われた気がした。
「まあ、働いてるならいいのよ。どんな仕事内容でも稼いだもん勝ちだわ。」
今日の自分の適当な仕事ぶりを正当化するように言った。
「なんか、馬鹿と話してると馬鹿がうつる。」
「は!?失礼ね。まあ、今日は以上よ。」
「結局、お前が残業で疲れたってことだったのか?」
「そういうことよ。なんか調子が悪いのよ。
もしかしたら、次に飲みに誘うのはいつもより近いかもしれないわ。」
「あぁ。」
了解の返事もおやすみの一言もないまま切られた電話。
高校の卒業式の時に無理やり聞き出した電話番号。それから侑が携帯を変えるたびにいろんな情報網を駆使して聴き出しといた。実際に使ったことはないけれど、電話帳に入ってる名前を見るだけで胸がときめいてた。
3回目。
もう終わったかもしれない。
だって、深夜1時に電源なんて切る?
そんな状況ってよっぽど邪魔されたくない時じゃない…
諦めの境地で、お風呂に入ってた時に、脱衣所から着信音が。
頭を泡だらけにさせながら、画面を見ると、
「如月侑」の文字。
今すぐ話したかったけど、鏡に映る自分の姿を見て流石に断念した。
見えないとはいえ、シャンプー途中の頭に裸でなんてね。
「侑?10分いや、5分待って!」
返事を聞かずにブチっと切ると、鬼のような速さでお風呂から出て、電話をかけ直す。
「侑?」
「あのなー、非常識にもほどがあるだろ。深夜1時にかけてくるなよ馬鹿。」
心底めんどくさそうに言われるから、思わずシュンとしてしまう。
「ごめんなさい、、だけど、起きてたならよかったわ。」
「はぁ…んで、なに?昨日会ったばっかだろ?」
「あなた今まで何してたの気になって。」
「は?なにその質問。キモいんだけど。」
「あなたがチャラついているんじゃないかってセンサーが働いたのよ。私が一生懸命残業してるってのに。」
「お前のそのセンサーはイかれてるな。生憎俺は今の今まで仕事。」
「こんな遅くまで?一体何してんのよ?」
「ああ。ほんと何してんだろうな。」
その声があまりに切なくて、これ以上踏み込むなって言われた気がした。
「まあ、働いてるならいいのよ。どんな仕事内容でも稼いだもん勝ちだわ。」
今日の自分の適当な仕事ぶりを正当化するように言った。
「なんか、馬鹿と話してると馬鹿がうつる。」
「は!?失礼ね。まあ、今日は以上よ。」
「結局、お前が残業で疲れたってことだったのか?」
「そういうことよ。なんか調子が悪いのよ。
もしかしたら、次に飲みに誘うのはいつもより近いかもしれないわ。」
「あぁ。」
了解の返事もおやすみの一言もないまま切られた電話。