ライアー
あっ、何にも買ってない。

飲み物を買うために出たのに、ぐるぐる考えながら歩いてたら、パソコンの前に戻ってきてしまっていた。


これまで侑が女の人に言い寄られてるところはたくさん見て来た。

だけどなんでこんなに動揺してるのかっていうと、
受付の子たちのタイプが今まで侑に言い寄って来たタイプと全然違うからだ。


群を抜くほどのかっこよさだから、大抵の女の子は告白することすら諦める。

特に受付の子たちみたいな大人しそうな子なんて話しかけたりすらしてなかった。

結局侑の周りにいるのは、自分の容姿に自信のある派手な肉食系女子か、私のような身の程わきまえず系の図々しい女子。

男子の理想を偶像化したような
儚くてふわふわしてて、控えめな子たちとはあまり接点がなかったのだ。


侑は今まで誰にも本気にならなかった。


つまり、彼のタイプは肉食女子じゃないってこと。

つまり!!彼女たちみたいな子がタイプってこと!!!

今宵、神々しいほどのイケメンと、恋に奥手な可愛い女の子のラブストーリーが始まってしまうのか…


侑が合コンに行くのかも定かじゃないのに、いてもたってもいられなくなって、おざなりに仕事を済ませて、早々に家に帰った。
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