ヴァンパイアの花嫁
額に手を置いたレオンはふらふらと立ち上がった。


再び倒れそうになるところをエミリオが支えた。


ティナに生気とたっぷりの血をあげたせいでレオンは意識が朦朧としていた。


「そこの……ソファで良い」


今度はエミリオの手を払うことなくソファに向かった。


「レオン、エサ(女)を連れてくるよ」


レオンをソファに連れて行くとエミリオが言った。


「いや、いらない。眠れば回復する」


ソファに横になるとレオンは目を閉じた。


本当にそうだろうか……。


エミリオは首を傾げた。


自分だったらとてもじゃないがダメージが大きすぎて数か月は動けないだろう。


「アメリア、エミリオ、ティナを……頼む」


レオンは目を閉じながらふたりに言った。


「かしこまりました」


アメリアが返事を返した時にはレオンは意識を手放していた。




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