ヴァンパイアの花嫁

「喉が……渇く……」


夜が明けた頃、ティナが苦しそうに言った。


呟くものの目は閉じられている。


「エミリオ様……」


アメリアは何をあげてよいのかとエミリオを見た。


「今はティナちゃんにあげるのはレオンの血でなければだめなんだ」


血の儀式……ひとりのヴァンパイアの血を分け与える。その者がヴァンパイアになる段階では落ち着くまで最初に血をあげた者しかあげられない。


「レオンの血をあげるしかないんだ……」


レオンはまだ青ざめた顔で眠っていた。


「ご主人様は眠っています。どうやって……」


アメリアが不安そうな顔をエミリオに向ける。