シェヘラザード、静かにお休み

しゃがんだルイスは床に取り付けられた金具の取っ手を引っ張り上げた。

床下が見えると思っていたそこに、階段がついている。

「部屋なの?」

「入れば分かる」

失礼します、ときちんと断りを入れてシーラはその階段を下る。外からの光だけが頼りだったが、階段の数はそう多くは無かった。

地面に足をついて、思わず息を呑んだ。
そこは決して大きくはないが、壁一面に本棚が並び、本が詰まっていた。

「素敵……」

「多分マリアもここは掃除していないし、本も結構昔からあるものだから綺麗じゃない」

そんなものは気にならない。

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