シェヘラザード、静かにお休み
祭は朝から始まっていた。露店が出て、小さなパレードも行うらしい。
様々な匂いと音と色が、空間を華やかにしていた。
来たときには想像もできなかった世界だ。
「いらっしゃい、おはよう」
シーラはいつも通り働いていた。
ルイスも挨拶を返して、カウンターの席につく。
「外、すごいわね。お祭りって初めて見る」
目を輝かせながら窓の外を見るシーラ。城の近くでは厳重警戒のため、祭もパレードも禁止となっていた。
物資が溢れていた昔は、一年に一度は城の開放があったという。
「行ってみるか?」