シェヘラザード、静かにお休み
いつもはカウンター越しに出された。
「どう……」
「奥の席、二人の男女がいる」
シーラはルイスの瞳を捉えたまま話す。
きちんと考えてそこに立っているのだろう。ルイスはシーラ越しにそちらを見ることが出来た。
窓の方から見ると、丁度死角となっている場所。
男は長く黒い髪の毛をひとつに束ねている。その前に座るのは、グレイのフードを被っていて、ここからでは男女の判別が出来ない。
すぐに視線を逸らして、ルイスはカウンターの方へ向き直る。
「同一人物か?」
「ええ、テーブルに案内したとき、女の方の顔はきちんと確認した。髪の毛が短くなっていたけれど、あれはそう」