シェヘラザード、静かにお休み
結構時間がかかってしまった。
もうシーラは仕事を終えてルイスの宿へ来ているだろう。
鍵を預けておいて良かった。
「無駄でしょう、反対なんて。彼女は好き勝手にどこかへ行ってしまう」
イーサンは荷物を持ち直して言う。
あの性格だ。今までどう生きてきたのかは知らないが、ルイスが振り回されていたのであろうことはこの短い間で容易に想像できる。
「彼女のこと、何か知ってるんですか?」
「え」
ルイスが真っ直ぐにイーサンを見ていた。純粋な疑問をぶつけられた。
何かとは何だ。
次は何のカマをかけられているのか。