シェヘラザード、静かにお休み

シーラがルイスにどこまで開示しているのか詳しく知らない。
正直、どうでも良いという思いがある。

一緒に行動しているのに、腹の探り合いとは大変だなという客観的な意見しか持てない。

「何かって。昨日初めて会った女性のことですからね」

「……ですよね、すみません」

「何か引っかかることがあるんですか?」

宿の前までついた。ルイスの部屋の電気がついている。
シーラが来ているのだろう。

「あいつ、北の孤児院育ちなんですけど、たぶん生まれが貴族だと思うんです」

立ち止まる。イーサンはその様子を観察した。

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