シェヘラザード、静かにお休み
「革命家を許すな! 王族に対する攻撃は、つまり国民に対する攻撃である!」
年齢を問わず叫ぶ声があった。王女の姿に気付いたのは、近くにいる数人だけだ。
ルイスは、城の周りがまた嫌に静かなことを察知した。
テロに対するテロ。暴力に対する暴力。
それでは、何も治まらない。
「私の、話を、聞いてください!」
アメリアは力いっぱい怒鳴った。怒鳴った声も拡声器に入っていくので、キーンとハウリングが起こる。
近くにいたイーサンは顔色は変えなかったが、目を少し細めた。
その場にいる全員の視線を攫っていく。
アメリアはその権利と、権威を持っていた。