ドクター時任は恋愛中毒
……そう言われてみれば。昨日、本人も似たようなことを言っていたっけ。
『俺は、お前のその自分の考えをきちんと話してくれるところが好きだ。俺がもっと女性の気持ちを察せるタイプならよいのだが、生憎そうではないからな』
……そうだ。私が、ちゃんと話さなきゃダメだったんだ。
何も言わずに黙って怒ってるなんて、類さんきっとすごく悩んでしまう。
今の私の脳内はどういう状況なんだとか理屈っぽく考えすぎて、いつまでも答えにたどり着けない。そんな不器用なところもひっくるめて、私は類さんのことが好きなんだ。
そう思うと心がスッとクリアになり、同時にある思い付きが浮かんだ。
「航河さん……逆プロポーズって、アリだと思いますか?」
急に生気を取り戻した私がそう聞くと、航河さんは弾けるような笑顔でうんうん頷き、賛成してくれる。
「全然アリ! 真帆ちゃんのまっすぐな気持ちに彼もきっと感激するよ」
「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます。あっ、クリニックの開業、頑張ってくださいね!」
「うん。綺麗になりたくなったら、いつでも来てね。ちゃんと彼に許可をもらってから」
冗談っぽく付け足された言葉にクスッと笑って、私は航河さんにペコっと頭を下げた。