ドクター時任は恋愛中毒
その後、時任先生が作ってくれたのはザ・和食だった。白いご飯に、だしの効いてるお吸い物。焼き魚に切り干し大根、おひたしまで添えてある。
ミルクで満たされ再び眠りについた千緒はベッドに置き、時任先生とふたりで食卓を囲んだ。
「ありがたいです、久々のちゃんとした食事……」
「ま、平凡な味だとは思うが」
「時任先生でも謙遜とかするんですね」
「……さっきから気になっていたが、お前、ちょいちょい俺をバカにする発言を挟んでくるな」
「気のせいです。いただきまーす」
無愛想な彼と会話をするのも段々と慣れてきたし、ときどきムキになる反応が面白くて、食事中も思ったより自然に会話をすることができた。
私は先週まで親友と旅行に行っていた話をし、実は彼女が“藍澤”という名の医師と政略結婚させられそうなのだと言うと、時任先生がぴくりと眉を動かした。
「藍澤が結婚……ということは、その娘はヤツの運命の相手ということか……?」
少し前までうちの病院にいた藍澤先生とは時任先生も知り合いらしく、何か思うところがあるらしい。
難しい顔で何かぶつぶつ言っていたけれど、私は話を続ける。