ドクター時任は恋愛中毒
「こないだ、というか一昨日? 時任先生がセクハラしてた子、栄養部の名札付けてたような……」
そこまでは勝手に言わせておいたが、“セクハラ”発言だけは聞き捨てならず、俺はつい口を挟んだ。
「おい、俺がいつセクハラを働いたというんだ」
「だから、一昨日ですって。ここに若い女の子が来て、先生肩揉んでたじゃないですか。あれが水越さんですよね?」
一昨日、若い女、肩揉み……ああ……まぁ確かに。
「……ああ、それは事実だが。一体どこがセクハラなんだ」
「いや、水越さん、めっちゃ真っ赤になって恥ずかしそうだったから。まぁでも、弁当作ってもらえる仲なら、セクハラではない……のか?」
そういえば、あの時の水越は少し様子が変だったな。真っ赤になって、しかも頻脈で……。
「えー、めちゃくちゃ気になるな水越さん。サイボーグの肩揉みで真っ赤になったと思えば、健気に弁当まで作ってくれるなんて。俺にも作ってくんないかな~」