御朱印が導く先は
…クソォ…あのリア充集団め
なんでわざわざ
ここまで来るのよ。
人の御朱印デビューを
邪魔するだけでは
飽き足らず!!
もういい、帰ろう。
これを食べ切ったら行こう。
残りは車の中で食べればいい。
憮然としながら
残りのバンズを咀嚼し
飲み込み、そそくさと
公園を後にした。
その日からだった。
不可思議な現象が続いたのは。
数週間後
程よい寺をみつけて
私は御朱印帳を手に
午後から下道をめぐる。
砂利道をザクザクと
音を立てながら進めば
「!!」
また、アイツらがいる!!
遠目ではあるが
境内に、あのリア充集団を
見つけて踵を返す。
マジで鬱陶しい。
え?同じ集団だなんて
なんで分かるかって?
そのうちの一人を
少し前に会社で
見かけたのですよ。
営業部の何某主任とか
周りにいた女子達が
ザワザワしていた。
我が社の広報部が実施した
恋人にしたいランキング&
結婚したいお相手ランキングの
上位3位までに入るらしく。
…ちなみに、そんな調査が
あった事など、私は知らない。
外野の噂では、
入社10年迄の従業員に
アンケートメールが
一斉配信されて
いたらしいが…
恐らく、メーラーの
自動振り分け設定により
容赦なく、ゴミ箱に直送
されていたのだろう。
そんなモテ男と
何故か寺で、めっちゃ会う。
否、見かけては逃げている。