漢江のほとりで待ってる


そして、

「椎名さん、何があったんですか!!」

と問いただした。

そこへ、父である弦一郎も駆け付けた。

「由弦は!?」

珉珠は今にも泣き出しそうな顔で、首を横に振った。

「まだ手術中みたいです……」と一条。

そして弦一郎は座り込んでいる椎名を見つけ、

「一体何があったんだ!」

「……」

「椎名!お前は由弦に何をしたんだ!!」

「……す、すみません……」

「……っ!!」三人が椎名の方を見た。

「もう、……もうどうにもならなくなって……ぼ、ぼちゃ、んの、く、車に……突っ込みました」

「は、はぁ……ゆ、由弦……」

それを聞いた途端、珉珠はその場に座り込んだ。

一条は、珉珠を立ち上がらせ、すぐ傍にある待合いの長椅子に座らせた。

「大丈夫ですか?」

一条の問いかけに、辛うじてうなずく珉珠。

それと同時に、弦一郎は、

「何てことをしたんだ!!そこまでして守らなければならないものなのか!!」

「すみません!」泣き崩れる椎名。


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