漢江のほとりで待ってる


また、クリストファーも自分の行いを世間に公表し、謝罪した。

「悪事と知りながら、彼を陥れ、手に入れた栄光のその代価は大きかった。彼には、由弦にはほんとに申し訳ないことをした。彼の才能を妬み、また羨ましく思い、その才能を欲しいと思った。そして悪魔の甘い囁きに、私の弱い心はなびいた。簡単にしか思っていなかった。こんな事態にまで発展するなんて……これからは私は懺悔し、犯した罪や弱い自分と向き合いながら生きて行く。そして一日も早い由弦の回復を祈る」

とコメントした。

「クリストファー盗作!!やはり彼の絵は高柳由弦氏のものだった!」

「陥れられた天才クリエイター!悲しき生い立ち!」

「弟を陥れ全てを手に入れようとした兄」

「高柳兄、便宜の見返りに、代官饅頭(多額の報酬金)を渡していた!?」

報道は留まることを知らず、高柳家のスキャンダルを活字に載せて世間にばらまいた。


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