漢江のほとりで待ってる
「ほんとに大丈夫か?珉珠君」
「はい、大丈夫です。私行かないと」
「どこへ?由弦のところか?」
「はい」
「それはダメだ!あいつまた君に嫌がらせをするかもしれない!」
「私なら大丈夫です!専務はそんな人じゃありませんから。仕事はきちんとされる方です」
「仕事とそれは別だ!それに君に手を出すなんて私が耐えられない!」
「専務が抱きついて来たのは、出会い頭だったので、私が姿勢を崩してしまって、受け止めてくださった、ただそれだけのことです」
「でもそんな風には見えなかったが」
「ほんとです、信じてください。心配してくださるのはとても有り難く思っております。だけどほんとに私は大丈夫ですから、仕事にお戻りください」
「分かった。だが、何かあればすぐ私を呼びたまえ!」
「分かりました」
一礼して珉珠は由弦の所へ戻って行った。
珉珠は、由弦をかばうためとはいえ、慶太に咄嗟についた嘘を、心苦しく思った。
珉珠の複雑な思いを、運命は知ってか知らでか、振り回す。
また慶太にとっては、心配事が払拭されるかのような出来事が起こる。