【短】大ちゃん先輩はカッコ悪い!
「何かあったんですか?」
結局、普通に聞いてしまった。
「……とにかく、一度外に出ようか。帰りが遅くなる」
言われて、促されるようにわたしは教科書をカバンにしまう。
いつもは隣を歩く大ちゃん先輩が前を行き、わたしは黙って着いて行った。
薄暗い廊下が冷たくて、窓の外ではいつの間にか降り出した雨。
湿った空気が心を冷やして、さっきまでの浮かれた気持ちが雲に吸い込まれたみたいになくなってしまった。
昇降口で靴に履き替えてから、わたしは傘がないことに気づく。
でも、すでに大ちゃん先輩は傘を用意して外にいた。