極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
なにがあったんだ、と頃合いを見計らったように、彼が静かな声で問う。

「マ、マーケティング営業部の三崎さんに・・」

わたしがその名を口にした瞬間、彬良くんの表情が苦いものを含んでしまったように歪んだ。

「あ、彬良くんとわたしが幼なじみなのを、なぜか知っていて———」

わたしはぽつぽつと、今日資料室であったことを話した。
彼に浴びせられた台詞は、どうしてもおぞましくて口にすることができなかったから、だいぶぼかした表現になってしまったけど。

「———悪かったな」
ため息とともに、彬良くんが言葉を吐く。
「そよかを狙うことはある程度予想がついたけど」

彬良くん、とわたしは彼の言葉をさえぎった。
「三崎さんが言ったことは、ほんとなの!? わたしは彬良くんのおまけで採用されたの?」
言いながら、鼻の奥がツンとする。

「俺がしたのは、あくまで世間話、だった」
彬良くんが乾いた声で答える。
「Eurekaは印象的な会社だった。役員が院生のリクルートに来るあたり、枠にとらわれない気風を感じたし。けっこうくだけた会話もするようになって。幼なじみがアパレルを志望してるから、そちらも受けてるかもしれませんね、ってしゃべったんだ。そしたら、そよかの名前と大学を聞かれた。
それがどこまで採用に影響してるのかは、俺にも分からない」
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